恥ずかしい日々 腰に巻きつけて
こんにちは。
ぼくです
ドヴォルザークに会いに行きました
会う~
闘う~
そこそこ死ぬ~
勝ちまんた
今日は そんなザーク1討伐済のぼくが皆さんに
勝ち方を伝授いたします
教えて!! スピーカー ~第一回「コントローラー篇」~
「ビッグモーモンに勝てません。十字キーでコマンドを選んでいると移動がおろそかになって敵の範囲攻撃に当たってしまいます。上手な人のプレイ動画を見ていると普通に移動しながらコマンドも選んでいるのですが……。あれはどうやっているのでしょうか?
「ビッグモーモンに勝てないということで、心中お察しします。
確かに、ドラゴンクエストではコマンドを選ぶ戦闘のために十字キーをたくさん使いますよね。移動しながらコマンドも選ぶのはとても難しいので、できるようになるためにはたくさんの練習が必要です。が、不慣れな人が最初に躓くポイントは、「どうやって練習したらいいのかわからない」ということだと思います。まずは、基礎に立ち直り、正しいコントローラーの持ち方を覚えましょう。
コントローラーの持ち方①
普通に持つ
コントローラーは元々人間の手に馴染むように作られています。
背筋を伸ばして座り綺麗な姿勢で素直に持つことが大切です。
それが攻略への第一歩です。
オススメ度……★★★★★(いいから普通にやれ)
コントローラーの持ち方②
モンハン持ちをする
モンハン持ちとは、左手の人差し指と親指で輪っかを作るようにコントローラーを握り(この表現が少しいやらしい気がするのは何故でしょうか?)、本来であれば親指で操作する十字キーを人差し指を使って操作する持ち方を言います。
左のアナログスティックと十字キーを同時に操作できるので、慣れると便利ですが、いかんせん最初は人差し指が扱いづらく、乱暴にすれば指の皮が剥がれます。そうして皮がズル剥けになった頃アナタは大人になります。
オススメ度……★☆☆☆☆(無理にやらなくていい)
コントローラーの持ち方③
「引退、か……」
放課後の体育館。よくワックスの塗られた床に履き古したバッシュが擦れて、スズメの鳴き声のような音が響いた。
バスケットコートに人影はない。今日みたいな土曜日には、下級生は他校との合同練習で出払っている。俺たち3年は夏の大会で敗退、事実上それが最後の部活となった。後学期が始まってからは、皆受験勉強に必死だ。俺はというと、勉強に打ち込むでもなく、何となく手持ち無沙汰の気持ちを持て余したまま、こうして今日も学校に来ている。
俺はいつものようにボールを構え、リングを見つめた。膝を曲げて、小さくその場で真上にジャンプ。下半身の反動をボールに伝えるイメージで、そっと放つ。指に余計な力は入れちゃいけない。突き上げた腕を意識してフォロースルー……、これは、入る。確信めいた手ごたえがあった。狙い通りのフックで弧を描いて、ボールはリングに吸い込まれた。
バウンドするボールを捕まえて一息ついたところで、
「相変わらず見事なもんだねぇ」
突然後ろから声をかけられて驚いた。
「三沢」
振り返ると、そこにいたのは同級生の三沢だった。同じ体育館で練習している女子バレー部が休憩時間になったらしい。首に巻いたタオルに、濡れた髪が垂れてかかっている。それが汗で光って見えた。
「よぅ、万年補欠くん」
「よお、……ってうるせぇよ」
「怒んなよー。あはは」
痛いところを突かれてたじろぐ。
俺は練習や友人との遊びではバスケが得意だったが、これが試合となると途端に緊張してしまい、普段の実力が発揮できなかった。自然とスタメンから外された俺は、万年補欠というわけだ。
だが、それをこうしてからかわれるのは、いつものことだ。三沢は屈託のない笑顔を浮かべていた。開いた唇の隙間から、少しだけ八重歯が覗いて見えた。
「本番はどうしてもダメなんだよ。練習ならうまくいくんだけ……どっ」
俺は独り言のように呟いて、もう一度スリーポイントを狙ってボールを放った。だが、打った瞬間、全然ダメだとわかる。膝のクッションが足りてないし、身体が伸びきっていない。案の定バックボードにぶつかり、素人がおっかなびっくり触った三味線みたいな音を鳴らして、ボールはあらぬ方向に飛んで行ってしまった。
「へたくそ。こりゃ補欠だわ」
「うるせぇよ」
「ちょっと貸してみ」
照れ隠しで強めにボールをパスするが、さすがは女子バレー部の部長だ。三沢はなんなくそれを受け取ると、ゴールに向かい合った。
長身の三沢が背筋を伸ばすと、それだけで絵になるような気がして、言いようのない感情が沸き上がった。俺は息を飲んで三沢を見つめた。
「しゅっ」
予備動作なしで放り投げたボールは、ほぼ三沢の頭上を通過して背後に着地して、3回バウンドしたのち、俺の足元に尻尾を振った犬のように戻ってきた。その間抜けさと、さっきまでの三沢の雰囲気のギャップに、俺は苦笑いを浮かべずにはいられない。
「わざとだろ。どうやったらこんな軌道になるんだよ」
「あれぇ? やっぱりバスケはむずいなぁ」
「逆に才能あるんじゃないか? 普通できねぇよ、こんなん」
「くそぅ……補欠に煽られる。あたしは、やっぱりバレーだわ」
俺は、そのときふと思い出して、気になっていることを三沢に訊いてみた。
「高校でもバレー続けるのか?」
「うん。そのつもりだよ」
「二高だっけ?」
俺たちの住む市の市立第二高校は、女子高だった。
「そうそう。進学校だから、体育会系はあんまり強くないみたいだけどね。って、吉田に言ったことあったっけ?」
「いや。噂で聞いたんだ」
「ふぅん。……どんな噂だよ~」
引き攣った顔を誤魔化すように、俺は話題を変えた。
「お、俺はバスケ……っていうか運動部はもういいかな。バイトとかするかも」
「えぇ? 吉田が? 全然想像できないんだけど」
「そうでもないって。見てろよ」
俺は中学の近所にあるコンビニの店長の物真似をしてみせて、三沢はそれがツボに入ったらしく、しばらく笑い続けた。顔を赤くして笑っている三沢の口元には、いつものように八重歯が少しだけ見えていて、俺はなんとなく、なんとなくだが急に、それがすごく可愛いと思った。
そして、そういう風に感じたことを三沢に伝えるべきだと思った。
女子バレーの三年も、もうすぐ引退するだろう。二人きりで自然と会えるチャンスは、二度と巡ってはこないんじゃないだろうか。そして、女子高に進学する三沢とは、卒業したらもう会えない。
告白しなくては。俺はそう思った。
「あのさ……」
「うん?」
「あの……やえ……」
いざ口を開いてみたは良いものの、すぐに二の句が継げなくなってしまう。女子に告白なんて、生まれて一度もしたことがない。動揺を悟られぬよう、足元に転がっているボールを手に取った。
「なに?」
不思議そうな顔で三沢が見つめてくる。なんだか、すごく追い詰められている気がしてきた。さっきまでの自然な雰囲気は一変して、一気に緊張してきた。いや、そう感じているのは俺だけかもしれない。
手が汗で滲む。濡れたボールが滑り落ちそうになる。
このボール……スリーポイントシュート。入るだろうか? 彼我の距離は、七メートル弱。毎日毎日、他の部員が居なくなったあとも、一人で練習してきた。土曜も欠かさず学校に来て、試合に出られない悔しさをバネに頑張ってきたんだ。
そうだ。練習なら、入るんだ。
このボールが、リングに入ったら、告白しよう。
俺はそう決めた。
俺は汗で濡れた手をシャツで拭いて、ゴールと正対した。花を捧げるような、祈るような真面目なフォームで。
集中。
憧れの漫画で、百万回以上耳にした有名なセリフが頭に浮かぶ。
そう、左手は、添えるだけだ。そして右手は、手のひら全体をボールに吸い付かせるように……。ボールが腕の延長上にあるように……。
答え:その持ち方